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プリキュア視聴率の見方について [視聴率の推移]

ここではあくまで「プリキュアシリーズ」の「視聴率」を「正しく見るため」の「個人的」な見解を述べます。

別に、ここで”このシリーズ最高!!”とか、”あのシリーズのせいで視聴率が落ち込んだ!”、とか

視聴率の分析を行うわけではなくそれらはグラフとかデータあるんで各々で推測して

あくまで「プリキュア」の「視聴率」を「正しく見るため」に必要と思われることを述べていきます。

さて、プリキュアの視聴率の前に前提として一般的な「視聴率」の事を知っておかないと先に進めません。

ご存知だとは思いますが視聴率には「世帯視聴率」と「個人視聴率」があります。
世帯視聴率はその名の通り「世帯」の視聴率を、個人視聴率は年代、性別の視聴率(KIDSとかTEENとかF1(女性**~**才)とか)です。
(詳細はビデオリサーチ社のホームページなりググればいくらでも出てくるでしょう。)


このブログではプリキュアの「世帯視聴率」と「KIDS視聴率」を分析の対象としています。

まずは世帯視聴率については、もちろん我々が得られるデータとしては、ビデオリサーチ社(以後VR社)が発表しているデータになります。
(正確にはNHKも調査を行っていますがそれは省略)

 まず最初に言えることは、視聴率は「同じ時間帯」で「同じジャンル」の視聴率を比較しないとあんまり意味が無い、ということです。
例えば、プリキュアの世帯視聴率が5%、サザエさんが20%なので、プリキュアはサザエさんの1/4の人気である、というのは恐ろしくナンセンスな見解です。

逆にプリキュア5%、深夜萌えアニメ0.1%なのでプリキュアの方が50倍すごい、とかいえるわけではありません。(まあ、これは感覚的にわかることだとは思いますが)

これは、テレビのついている総数が時間帯によって大きく変化することに由来されます。
当然ゴールデンタイム等TVのスイッチが入っている世帯数が多い時間帯ほど、視聴率は高くなります。)

まあ、プリキュアの場合、10年以上も「同じ時間帯」「同じ曜日」で放送されているのでシリーズ間同士の比較をする場合、その辺りは問題ないと思います。

<600世帯での調査は信用できるのか>

 必ず問題点として出てくるのが、「わずか600世帯の調査で正確な数値がわかるのか」ということだと思います。

これはもう、統計学の力を信じてもらうしかない、というのが結論なんだけど、

どうも感覚的に間違った認識をされている方も多いみたいなのでちょっと補足。

VR社で発表されている視聴率を何故か「全国の視聴率」と勘違いしている方も多いみたいなのですが、

あくまで、よく一般的に発表されている視聴率は、「関東地区」の「世帯視聴率」です。

(もちろん関東地区だけではなく名古屋、関西でも計測されていますし、サンプル数、調査方法が変わりますが、全国各地で調査はされています。しかし、そういったデータは個人が入手しづらい上、リアルタイムでなかったりで意味があんまり無いのかなと思います。)

ですので、プリキュアの視聴率議論に一般的に議論されるのは「関東」の「世帯視聴率」です。(+KIDS視聴率)

それでいいのか、全国の視聴率で見ないと意味がないのでは、と思うかたもいるでしょうが、

それに関しては

「それが一番いいのはその通りなんだけど、じゃあ、他の地区のデータをリアルタイムに持ってきてよ」と言うしかありません。


<視聴率の誤差について>

次に問題になるのが「誤差」の問題。

VR社も公表している通り、視聴率には「誤差」があります。これも考慮していない人が多いみたいです。

2014年現在のプリキュアの場合、世帯視聴率がだいたい5%前後なので、出てくる数値には±1.8%「も」誤差があります。

つまり、たとえば今回のプリキュアの世帯視聴率が5.0%ジャストと発表された場合、真の視聴率は3.2~6.8%の間になります。
(正確にいうと、3.2~6.8%の間に入る確率が95%である、ということですが、これは後述。)

 こんなブレブレの数値、当てになるか!と思う方もいるかと思いますが、これが結構あてになるのです。

その根拠としては、まず、「誤差があるとはいえ、やっぱり発表された数値に近い数値である確率の方が高い」ということが挙げられると思います。

さて、ここでも勘違いしている方が多いのですが、

世帯視聴率5.0±1.8%である、ということは真の視聴率が3.2~6.8%の間に「平等に同じ確率で」はいっているわけではなく、
あくまで5.0%である確率が一番高く、そこから外れていくに従い確率は低くなっていく、ということです。
(5.0%を頂点とした正規分布のグラフになります。)

じゃあ、世帯視聴率が例えば5.0%と発表されたときに実際の視聴率の確率はどれくらいかというと、
ざっと計算した所下記のようになりました。


<プリキュア 世帯視聴率 5.0%の時の真の視聴率の確率(600世帯)>

5%よりかなり低い (3.2~3.5% 2%
5%より低い (3.5~4.0%)      8%
5%より少し低い (4.0~4.5%) 15%
5%近辺 (4.5~5.5%) 43%
5%より少し高い (5.5~6.0%) 16%
5%より高い (6.0~6.5%)  9% 
5%よりかなり高い (6.5~6.8%) 3%
それ以外 (95%信頼区間外) 4%  (※四捨五入の関係で少しズレました)

つまりVR社の発表が発表が仮に「5.0%」であれば、やっぱり5%近辺である確率が一番高いのです。
よく視聴率が5%と発表された時に、

「誤差が±1.8%あるからそんな数値あてにならないだろ! ひょっとしたら6.8%かもしれないし!」

という意見も耳にしますが、それに関しては

「それはその通りなんだけど、端の6.8%とか3.2%の確率はかなり低く、やっぱり5%前後である確率の方が高いのですよ」
と言えます。

もちろんあくまで「確率」の問題なので外れる場合もありますが、それは均(なら)して解決しましょう。(後述)

 更に言うなれば、先ほども書きましたように、世帯視聴率「5.0%」は、正確にいうと、「5.0±1.8%の間に入る確率が95%である」とVR社が発表しています。

 つまり100回に5回、プリキュア1年は約50話なのでプリキュア1シリーズ中、2~3回は変な数値がでても勘弁してね、ってVR社が先に明言しているってことです)

なので、年に2~3回くらい外的要因(お正月とか)が考えにくい時に、妙に高い数値なり極端に低い数値がでても騒いではいけません。そういうものです。


<区間移動平均を使っている訳>

このブログでは視聴率の推移グラフに「移動平均」使っています。

移動平均とは、統計の1手法で、例えば「3区間移動平均」の場合は、その時点から過去3回分の平均値を連続して出して動向をみよう、

というものです。株やFXなんかをやっている方にはおなじみのグラフだと思います。

なんでこんなもの使っているかというと、簡単に言えば、

「乱高下の激しい誤差のあるデータを経時的に見ようとする場合、こうでもしないと分析できない」
からです。

誤差のある視聴率数値では1つ1つの数値には(あんまり)意味は無く、群になって初めて意味のある数値になります。
(視聴率の誤差は、前述の通りVR社から発表された数値に近い数値である確率が高いのですから、

それが群つくり誤差を均せば、それなりに意味のある数値が出てきます)

ところで区間移動平均では、何区間の移動平均を取るか、が重要になってきます。

実のところ、そこには決まりはなく、そこはグラフ作成者のセンスが問われるところです。

そもそも視聴率の推移に区間移動平均を使用している例が(ネット上には)あまり無いため、試行錯誤を繰り返しているのが現状です。

自分の場合では

「長期的な傾向」を見る場合52区間の移動平均(1年は52週なので)

「短期的な傾向」
を見る場合は13区間の移動平均(1クール=3ヶ月が13週なので)でとっています。

プリキュアで見るなれば、

シリーズ別の比較、例えばスマイルとドキドキを比較したい場合には52区間の移動平均

シリーズ内での比較、例えば夏と秋ではどんな推移変化があるのか、等を見たい時には13区間の移動平均を取っています。

これはこのブログで使用している52区間の移動平均グラフ
52kukansetai.jpg

面白いと思いませんか

このグラフ1つ1つの「点」はあくまで過去52回分の平均値なんだけど、それが集まり線になると
きちんと「意味のある」線になっていきます。

これがもし、視聴率が誤差だらけで全くアテにならない数値だとすればグラフはもっと意味の無いギザギザな線になっているはずで

きちんと節目節目で折り返したりで、何か大きな力で操られているかのような推移をします。1つ1つの点は52回分の平均値のくせに。

あと、プリキュアシリーズと仮面ライダーシリーズの視聴率がきちんと連動しているな、ということも解ります。

これも視聴率の数値はきちんとした分析をすれば意味のあるものになっていくいい例だと思います。


こっちは13区間移動平均。

13kukansetai.jpg

これはシリーズ内でどんな動きをしているかを見るのに適しています。
プリキュアに関していえば、いわゆる「夏枯れ」と呼ばれている夏になると視聴率が下がる現象がどのシリーズにもきちんとグラフにも現れ、

フレッシュ以降のプリキュアでは、夏枯れの後に「ライダーブースト」とよばれる仮面ライダーが新しくなることによりつられてプリキュアの視聴率が上昇する現象がみられますね。

(でもドキドキではライダーブーストが起きてないんだよなあ、これがドキドキの年間視聴率を結果下げる原因になっているとグラフから読み取ることも出来ますね)


(あと区間移動平均で気をつけなければいけないのが、移動平均を取ると実際の動きより少し(右に)ズレて動く、ということです。ですので、気持ちグラフを左にズラすと実際の動きに合致します。)



<KIDS視聴率について>

KIDS視聴率に関しては、測定サンプル数が少ないので正確な値が出ない、とか
とか世帯視聴率以上に測定上の問題点もあると思います。
(KIDS数値の問題点、それでも使える理由、解釈方法等はいつか別記事で書きたいと思います)

しかし、再度書きますが、自分もVR社の視聴率の測定方法に問題がないとは思っていません。

しかし、「測定方法自体の問題点」は別の場所で論じてもらって、

プリキュアの視聴率において問題になるのはあくまで、

ここ10年間、「同一時間帯」で「同じサンプル数」で「同じ測定方法」で調査を行っているのに、
何故最近のプリキュアの視聴率は世帯、KIDSともに低下傾向にあるのかということです。


もちろん、番組自体の面白さなのか、それとは関係なく少子化が原因なのか、生活習慣の変化なのか、

録画機器の機能的発達が原因なのか、裏番組の強さが原因なのかはわかりませんが、

何らかの要因があることは確かです。(それらの複合要因である可能性が高いのでしょうけど)

その分析にこの様なデータ、グラフが役立てればいいのかな、と思います。

 


 
 

タグ:視聴率
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コメント 4

通りすがり

勉強になります。
近所のおもちゃ屋の状況やテレビのスポンサーの推移から、少なくともハトプリとドキプリの対比では視聴率は人気を正確に反映しているようです。
Kidsについては・率・なので少子化は関係無いと思います。
by 通りすがり (2014-01-10 07:33) 

yyk

コメントありがとうございます。
過去のスポンサーの数の推移なんかきっと面白い資料が出来るでしょうね。時間と労力があればデータ取りたいですが・・
キッズ視聴率に関してはいずれ詳しくまとめたいです。



by yyk (2014-01-11 17:50) 

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by Cheap cialis (2018-04-14 00:57) 

nineposition

いくつか基本的な間違いを指摘させて頂きます。

まず真の値が「5%近辺」に存在する可能性の高さは「5%近辺以外」になる確率と比較しなければ無意味です。

「5%近辺」の確率43%の内訳は「4.5%~5.0%」「5.0~5.5%」の合計です。そのため「5%より少し低い」と「5%より少し高い」は一緒に考える必要があり「5%より少し低いor少し高い」確率になります。これを言い換えると真の値が「4.0~4.5%」または「5.5%~6.0%」の範囲に存在する確率の合計で15+16=31%となります。同じように「5%より低いor高い」確率は8+9=17%、「5%よりかなり低いorかなり高い」確率は2+3=5%、最後に「95%信頼区間外」の確率4%も考慮して全ての値を合計すると「5%付近では無い」可能性は31+17+5+4=57%で最も高いです。

上記以外にも統計学の基本を誤解している内容が多く見受けられるので指摘します。

例えば「区間移動平均」は株価やFXなど個々の値に誤差が無いデータで推移誤差を緩和するやり方です。視聴率など個々で違う誤差を持つデータの信頼性を上げる方法ではありません。

経時変化の比較には個々の誤差が無視できるほど小さい事が大前提で視聴率5%前後の実態を捉えるには誤差が大きすぎです。100%の縦軸に直して表示すると針小棒大な話だとわかりますがそれと逆の方法がしばしばセールスマーケティングで使われるので覚えておいて下さい。数値の信頼性を無視したグラフの作成は故意かどうか関係なく拡大解釈を誘引します。これは数字を扱う上で基本中の基本です。

統計上の誤差を緩和する唯一の方法は母数を増やす事です。VR社の視聴率ではなくもっと誤差の小さいデータを使うべきです。

それとVR社はデータの加工に制限を設けているのでくれぐれも注意が必要です。公式HPにデータの利用方法と誤差の注意事項がありますので無許可使用の場合は気を付けて下さい。

視聴率はスポンサー収入などお金に関わる物事を取り決めるための大切な情報です。なので不正確な情報の流布は最悪の場合相場操縦につながる恐れもあって危険です。個人の趣味程度の用途であっても慎重に取り扱って下さい。
by nineposition (2020-08-01 11:40) 

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