プリキュアはカレーライスだった論 [お子様ランチ論など]
子どもの好きな料理ベストテンの推移
順位 | 1995年度 | 2000年度 | 2005年度 | 2010年度 |
1 | カレーライス | カレーライス | 寿司 | 寿司 |
2 | ハンバーグ | ラーメン | カレーライス | カレーライス |
3 | ラーメン | 焼き肉 | ラーメン | デザート |
4 | パスタ | 寿司 | オムライス | オムライス |
5 | ステーキ | ハンバーグ | ステーキ | ラーメン |
6 | 焼き肉 | パスタ | デザート | ハンバーガー |
7 | 寿司 | ステーキ | ピザ | ピザ |
8 | グラタン | グラタン | チャーハン | ステーキ |
9 | シチュー | サラダ | パスタ | パスタ |
10 | サラダ | チャーハン | 焼き肉 | さしみ |
(資料)日本スポーツ振興センター「児童生徒の食生活実態調査報告書」
(引用;http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/0330.html)
かつて、子供の好きな料理1位はカレーライスでした。
それが今、子供の好きな料理1位は「寿司」に取って代わられました。
仕方ないですね、子供って回転寿司とか大好きですものね。
寿司が1位になったからといって、2位のカレーライスはもう食べてもらえないのでしょうか?
違いますね。
子供は楽しく、おいしくカレーライスも、ラーメンもオムライスも食べます。
プリキュアの今の位置はカレーライス。
食卓を彩る、子供が大好きな定番のカレーライス。
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過去のプリキュア論
(プリキュアお子様ランチ論):http://prehyou.blog.so-net.ne.jp/2014-04-30
プリキュアお子様ランチ論 [お子様ランチ論など]
プリキュアお子様ランチ論
まあ、子供向けアニメ全般にいえることではありますが、
プリキュアとお子様ランチの共通点として
1.子どもが大好き
2.それをみている親も幸せ
3.大人向け料理より手間がかかっている。
4.実は親が購入の主導権を握っている。
等があると思います。(他にもあるでしょうが。)
そのお子様ランチにむかって、いい大人が
「今年もまたハンバーグがはいっている、もう飽きた!」 とか
「いいかげん子供向けの味付けヤメろ、もっとスパイスを聞かせた大人の味に」 とか
「去年は焼きそばがあったのに今年はスパゲティに変更された!もうダメだ!」 とか
「今年のお子様ランチは俺の好みの味じゃない」 とか
言い出したら確実に変な人扱いだろう。
「おお、今年のシェフはこんなの作ってきたか、これは子ども喜ぶだろうなあ」
とかいった目で見てればいいと思う。
プリキュア ライフサイクル論 [お子様ランチ論など]
一般的に製品の売り上げは時間の経過とともに、
「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」からなる
いわゆる『製品ライフサイクル」をたどる、といわれています。
くわしくは、ググればいくらでも解説しているサイトがあると思います。
この製品ライフサイクルは1商品だけではなく、製品の「ブランド」にも適用出来る、と考えられています。
いわゆるブランドライフサイクルといわれているものです。
で、コレはもちろんプリキュアブランドにも適用されます。
(プリキュアブランド、としてみるので「2人はプリキュア」「マックスハート」は除き(これらはまだブランドではなく、1商品)、ブランドとして成り立ったスプラッシュスターを最初として考えます。
実際のバンダイ売上げと重ね合わせるとこんな感じです。
(初代2作品を除いているのは、前述の通りプリキュアが「ブランド」としてスタートしたのはスプラッシュスターだからです)
で、それぞれの時期にはそれに適した戦略をとっていく必要があります。
導入期:ブランドが導入されたばかりの時期(売り上げ、利益ともに少ない) :
(戦略)製品普及のボトルネックになっているものを取り除き、認知度を上げていく
成長期:ブランドが認知され、急速に売り上げ、利益が伸びる :
(戦略)売り上げが上がっていくので、守りには入らず新しいチャレンジをどんどん行い新商品の開発を行っていき、売り上げを伸ばす。また、新規参入が増えるので、他との差別化を図る必要がある。
成熟期:ブランドが浸透し、売り上げの成長が止まる。 :
(戦略)売り上げは頭打ちで伸びないので、リスクは避け、成長期で培ったノウハウを利用して安定した良質な製品を作り、コストダウンの敢行により利益を出していく。
衰退期:ブランドが衰退し、売り上げ、利益ともに減少していく :
(戦略)今後の選択を迫られる。リスク、コストをかけて大胆な策にでるか、そのまま縮小、撤退していくか・・etc
1つづつみていきましょう。
ブランド導入期 ; スプラッシュスター
この時期はブランド普及のボトルネックになっているものを取り除き、認知度を上げる必要があります。
プリキュアブランド普及のボトルネックになっていたのは前作「2人はプリキュア」とあんまり変わらない(と世間に認識されていた)ことだと思われます。確かにフォーマットもキャラ設定も良く似ています(そりゃあマニアからみれば全く違うようにみえるのでしょうが、世間一般では同じようにみえます)
そこで、ブランド成長のため、予定されていた2期を取りやめ、ボトルネック解消のための策にでます。
前作と全く違う、と一目みて分かる「プリキュア5」を立ち上げます。
ブランド成長期 ; プリキュア5~スイートプリキュア
この時期は売り上げがどんどん上がっていくので、守りには入らず様々な仕掛けをしていきます。
1年毎に人数のフォーマットを替え、追加戦士のタイミングを替え、ミュージカルの開催、エンディングの3DCGダンスの定例化など様々な戦略と取ってきています。
また、図でわかるようにこの時期は、新規参入が増えるので、他作品との差別化を図る必要があります。
プリキュアが他と差別化できる点は何でしょうか?そう、他では絶対マネの出来ない「過去のプリキュアブランド」です。
そこでオールスター映画を立ち上げたりしました。以後、春のオールスター映画、秋の単独映画のフォーマットも定番化しました。
<主な女児向けアニメの一覧>
色々新しい戦略とってイケイケだったのですが、スイートプリキュア中盤あたりから、「あれ、コレもう成長期終了なんじゃない」と感じてきていたと思います。
ブランド成熟期 ; スマイル~現行(ハピネスチャージ)
売り上げが頭打ちになってきて大きな売り上げ増加が見込めない時期です。その時期に利益を上げるためにはコストダウンによる粗利の確保、リスクを冒さず堅実な商売、(コストかけずに)過去ノウハウを利用して安定して良質な商品を作っていく、などが挙げられます。
つまり、昨今ネット上なんかで言われている、「スマイルプリキュアはプリキュア5の焼き直し」、とか「ドキドキプリキュアはフレッシュプリキュアの、ハピネスチャージプリキュアはハートキャッチプリキュアの焼き直しじゃねえか!」
とかいわれているのは、リスク冒さず、過去ノウハウを利用して最小限のコストで最大限の利益を得る、
「ブランド成熟期」においての基本的な戦略なのです。
大幅な売り上げ増加が見込めない時期なのですからこうでもしないと利益は出ないのです。
「成熟期」にあるうちは、あえてコストをかけて、リスクを冒してフォーマットを変えたり、過去やったことの無いような大胆な戦略をとる必要はないのです。
ブランド衰退期;----
さて、1つの製品のライフサイクルであれば、この後衰退期がやってくるのですが、ブランドのライフサイクルでは前述の「成熟期」を最大限伸ばすべく企業は努力します。
しかし、それでも手を替え品を替え、やっているうちに徐々に売り上げは落ちていくものと思われます。
成熟期をいかに長持ちさせるか、が企業の腕の見せ所なのですが衰退期に入る直前を見極めて、次のイノベーションを起こす必要があります。
もちろん、バンダイにも東映アニメにも、セーラームーンが5年続いたわけ(5年で終わったわけ)、
おジャ魔女どれみが4年続いたわけ(4年で終わったわけ)、
戦隊、仮面ライダーが毎年マンネリ、といわれ続けながらも35年以上も続いているわけ、
戦隊やライダーのイノベーションが起きたタイミングとその手法、などもとっくの昔に分析済みでしょう。
バンダイなり東映アニメなりの手腕に期待して見守っていきましょう。
自分的にはプリキュアに関しては、衰退期はまだ数年は訪れず、あと数年はバンダイ売上げ80~100億前後で推移し、、その後大きな変革(小手先の改革ではなく、それはそれは我々の想像を超えるようなすごいイノベーション)がくるんじゃあないかと思います。
基本5GoGoまでの話だけど、プリキュアの次作をどうするか、とかその時どんな事が行われているのか、とかプリキュア玩具の作られ方とかの話は下記が参考になるかと思います。
プリキュア シンドローム!〈プリキュア5〉の魂を生んだ25人【描き下ろしポストカード3枚付き】
- 作者: 加藤レイズナ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 単行本